こんにちは。子どもの発達のグレーゾーンの悩みごとを大人に持ち越さないことを目指すWebサイトパステル総研です。東京は緊急事態宣言が再発令され、大阪ではすでに第5波の兆しが見えるという報道もあり、今年の夏休みも新型コロナウイルスに大きく影響されそうです。そこで、コロナ2年目の夏休み、発達障害・グレーゾーンの子どもを育てるお母さんたちは、子どもたちの夏休みについてどんな心配事を抱えているのか、アンケートを実施いたしましたのでご報告いたします。< https://desc-lab.com/69727/?prt >
- 夏休みの心配事ランキングTOP10
◆第1位「ゲーム・動画の視聴時間が長くなる」26%
現代っ子と切っても切り離せないゲームやYouTube。自由な時間が多い夏休み、朝から晩までゲーム三昧・動画三昧になるのでは…と心配されている方が多いことが分かりました。
コロナ禍でおでかけや帰省を自粛され、おうちで過ごすとなると、ますます長時間の視聴が気になります。
◆第2位「夏休み明けの登校しぶりが心配」15%
なんと、夏休みが始まる前から夏休み明けの登校しぶりを心配されている方が多いことが分かりました。お子さんが登校しぶりになると、お母さんも朝から疲弊します。ずっと登校しぶりが続いていたり、最近になって登校しぶりが落ち着いたりしたお子さんは、夏休み明けに再び登校しぶりになるのではないか…という心配があるのかもしれません。
◆第3位「生活リズムが崩れる」と、「夏休みの宿題が進まない」 各10%
夏休みで学校がないと朝起きる時間が遅くなったり、ゲームや動画で夜更かししたり、あっという間に生活リズムが崩れて昼夜逆転の生活になりがちです。しかも今はコロナ禍でおうちにいる時間が長いことから、さらに生活リズムは崩れやすくなります。
また、夏休みと言えば宿題問題。たまりにたまった宿題を8月31日に一夜漬けで終わるということがないよう、計画的に進めていきたいもの。毎年計画を立てるものの、すぐに計画倒れになってしまうという方も多いのではないでしょうか。夏休みの宿題はドリルやワークに加えて、自由研究や読書感想文、工作、ポスターなど多岐にわたり、お子さんの得意・不得意が反映されやすいです。また、サポートするお母さんも、サポート方法が分からなかったり、どこまでサポートすればいいのか迷うという声も毎年聞かれます。
◆第5位「ママの疲れやイライラ」
◆第6位「コロナの影響でおでかけや帰省をどうするか悩む」
◆第7位「家事負担が増える」「宿題以外も勉強させたいのに進まない」
◆第9位「きょうだいげんかが増える」
◆第10位「心配なことは特にない」
コロナの影響もあるのか、ママの疲れやイライラ、お出かけの悩みが続きました。夏休みはお子さんと一緒にいる時間が増える、家事負担が増える、自分の時間が取れないなど、ママの疲れやイライラを増大させる要素が盛りだくさんです。そんなときは、お子さんと一緒だったとしても、家に閉じこもらずにおでかけしてリフレッシュしたり、ご実家でゆっくりしたりしたいもの。コロナの影響でおでかけするかどうか・帰省するかどうかの判断は死活問題!という方も多いのではないでしょうか。
◆その他のご意見
TOP10は上記のようになりましたが、次のようなご意見もいただきましたのでご紹介します。
・学童に行きたがらない、学童トラブルが心配
ワーキングマザーの方にとって、夏休みの学童は死活問題。学童に行ってくれない・学童でトラブルを起こすとなると、お母さんのお仕事にも影響大です。
・友達と遊ぶ約束をしてくるかどうか、夏休み明けの学校での対人関係が心配
夏休みに遊ぼう!とお子さん同士で約束して遊んでくれると、学校での友達関係もひとまずうまくいっていると安心ですよね。誰も誘えない、誰からも誘ってもらえないとなると、夏休み明けの友達関係について心配になっているのかもしれません。
- 学年別解析
◆幼児の心配事 :年少・年中と、小学校入学を控える年長で心配事に違いはあるのか分析しました。
【年少・年中】第1位「ママのイライラ・疲れ」、第2位「家事負担が増える」「生活リズムが崩れる」「コロナの影響でお出かけや帰省をどうするか悩む」
【年長】第1位「ゲームや動画の視聴時間が長くなる」、第2位「夏休み明けの登校しぶりが心配」、第3位「きょうだいげんかが増える」
年少・年中の場合、「ママのイライラ・疲れ」「家事負担が増える」が上位にランクイン。低年齢でお母さんのお世話の手が必要な場合が多く、ママのストレス増加に直結する結果となりました。
一方で年長さんは「ゲームや動画の視聴時間が長くなる」がトップにランクイン。33%の方が選択しました。今は子育てする上でゲームや動画を何歳から解禁するか、スマホを何歳から持たせるかなど多くの悩みがあります。すでに年長さんからママたちの心配が顕在化していることが分かりました。また、「登校しぶり」「きょうだいげんか」など、いずれも子どもが意思を主張できるようになっていることに起因した心配事がランクインしました。
◆小学校低学年の心配事
【小1】第1位「夏休み明けの登校しぶりが心配」、第2位「ゲームや動画の視聴時間が長くなる」、第3位「ママのイライラ・疲れ」
【小2】第1位「ゲームや動画の視聴時間が長くなる」、第2位「夏休み明けの登校しぶりが心配」「宿題が進まない」「生活リズムが崩れる」
1年生は「夏休み明けの登校しぶりが心配」がトップになり、28%の方が選択しました。
パステル総研が4月に実施したアンケート調査を再分析したところ、1年生の44%が登校しぶり状態にあったことが分かりました。まだまだ登校しぶりが続いていたり、ようやく慣れたところで夏休みに突入したりする子もいそうです。小学2年生になると、再び「ゲームやスマホの視聴時間が長くなる」がトップとなり、28%の方が選択しました。選択した方は、小学1年生で21%、小学2年生で28%と、学年を追うごとに増加傾向がみられました。
◆小学校中学年の心配事
【小3】第1位「ゲームや動画の視聴時間が長くなる」、第2位「生活リズムが崩れる」「夏休み明けの登校しぶりが心配」「宿題が進まない」
【小4】第1位「ゲームや動画の視聴時間が長くなる」、第2位「宿題が進まない」「ママの疲れやイライラ」「コロナの影響でお出かけや帰省をどうするか悩む」
小学校3年生、4年生ともに「ゲームや動画の視聴時間が長くなる」がトップになりました。「ゲームや動画の視聴時間が長くなる」がトップにランクインした学年はとても多いのですが、特に小学3年生では回答者の50%が選択しており、最も選択率が高い結果となりました。
◆小学校高学年の場合
【小5】第1位「ゲームや動画の視聴時間が長くなる」、第2位「生活リズムが崩れる」「宿題が進まない」
【小6】第1位「ゲームや動画の視聴時間が長くなる」、第2位「夏休み明けの登校しぶりが心配」第3位以下同数
小学5年生、6年生ともに「ゲームや動画の視聴時間が長くなる」を選択した方が最も多い結果となりました。小学3年生の50%には及ばないものの、5年生・6年生ともに40%と選択された方が非常に多かったです。また6年生になると心配事が多様化するのか、票が割れる結果となりました。
◆中学生の場合
第1位「夏休み明けの登校しぶりが心配」第2位「ゲームや動画の視聴時間が長くなる」第3位「宿題が進まない」
1位は29%の方が選択した「夏休み明けの登校しぶりが心配」となり、選択したのはすべて中学1年生のお子さんを持つ方でした。小学校と大きく環境が異なる中学校になかなか馴染めない子がいるのかもしれません。一方、「ゲームや動画の視聴時間が長くなる」は2位となりました。選択した方も24%と、小学校高学年の40%と比べると減少していることが分かりました。
毎年度内閣府が実施している、「青少年のインターネット利用環境実態調査」の令和元年度の調査によると、子どもが自分専用のスマホを所持している割合は小学生で40.1%、中学生で81.8%なのだそうです。中学生はほとんどの子が自分専用のスマホを持ち歩いていることから、「心配だけど、ある程度任せるしかない」という状況なのかもしれません。
一方、小学生は親のスマホを使っていることから使用状況を常に把握できたり、「いつスマホを持たせるか問題」に頭を悩ませたりすることで心配事として大きくなりやすいのかもしれません。
- ◆まとめ
学年別で分析したところ、幼稚園年長さんから中学生まで、心配事の1位もしくは2位に「ゲーム・動画の時間が長くなる」がランクインする結果となりました。特に小学2年生から6年生までの学年では心配事のトップにランクインしており、小学生とゲーム・動画との付き合い方に悩まれている方がたくさんいらっしゃることが分かりました。逆を言うと、ゲーム・動画との適切な付き合い方がマスターできたとしたら、夏休みの心配事は一気に減ると言えます。
・調査期間:2021年7月5日~7月10日(6日間)
・回答者:パステル総研読者、Twitterフォロワー、メールマガジン読者、Nicotto!塾生、発達科学コミュニケーショントレーナー・リサーチャー 計177名
・調査方法:インターネット調査
パステル総研では、夏休み中も毎日欠かさず子育てに役立つ情報をお届けしていきます。パステルキッズを育てるお母さんたちが夏休みをよりスムーズに乗り切るお手伝いができたら幸いです。